こんにちは!
パネルプラス(株式会社TMF)です。
販促物を制作した際に、こんな経験はありませんか?
- 思っていた色味と違う
- 食べ物の色味がくすんでいて美味しくなさそう
- 化粧品の色味やモデルさんの肌色が実物より沈んでいる
- 企業ロゴのコーポレートカラーと完成品の色味がかけ離れている
このようなトラブルを未然に防ぐ方法が「色校正」です。
今回は、企業の販促担当をする皆さんに向け、色校正とは何かを詳しく解説します。
色校正で印刷物の色味を事前に確認し、より効果的な販促物に仕上げましょう。
色校正とは|印刷のイメージを左右する重要な工程
色校正とは、お客様からお預かりした印刷見本の色を参考に、
出力物の色味を可能な限り見本どおりに近づける作業です。色校ともいいます。
印刷物をイメージどおりに仕上げることは企業にとって大変重要な要素です。
色校正をすれば、実際の仕上がりがお客様のイメージする仕上がりを再現できているか、
色の認識が間違っていないかなど、実際に製作する前に確認することができます。
色校正がイメージしていた色味と異なる場合は、イメージに近づけるように調整をします。
色校正のご要望は、化粧品メーカー様や食品メーカー様、
アニメの版権をお持ちのお客様などからいただく機会が多めです。
その理由は、商品・キャラクターのイメージを崩さないためです。
したがって、印刷物の仕上がりや色彩を重視する場合は、出来る限り色校正を行いましょう。
色校正を行う3つの理由
色校正は、出来上がりのイメージに関するトラブルを避けて、
より良い印刷物を仕上げるために大切な工程です。
色校正を行う理由として、以下の3つがあげられます。
- モニター上の色味と出力物の色味は異なるため
- イメージと完成品の色味を近づけるため
- 作り直しを防ぐため
各項目ごとに、詳しくみていきましょう。
モニター上の色味と出力物の色味は異なるため
パソコンのモニター上で見えている色と出力した時の色味は、微妙に異なります。
これは、パソコンのモニター上で見える色はRGBカラーですが、
プリンターで出力される色はCMYKカラーのために起こる現象です。
RGBカラーは「光の3原色(赤・緑・青)」と呼ばれるWeb用の色表現です。
色を混ぜるほど白くなります。
CMYKカラーは「色の3原色(シアン・マゼンタ・イエロー)」と呼ばれる印刷用の色表現です。
色を混ぜるほど黒に近くなります。
赤色が緑色になってしまうことはありませんが、
上記の画像のようにピンクの色味が沈んで紫に見えるといったことが起こり得ます。
出力したときの色がくすんでみえるのは、混ぜるほど色がにごるCMYKの特徴のためです。
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イメージと完成品の色味を近づけるため
先述のとおり、モニター上の色味とプリントアウトした印刷物の色味は異なります。
色のトーンが変わるだけで、完成品の印象も大きく変わります。
「明るくフレッシュな雰囲気を出したかったのに、出力物は暗くて印象が悪くなってしまった」
「落ち着いた柔らかい雰囲気を出したかったのに、はっきりした活発な印象になってしまった」
このような手違いを未然に防ぐためにも、
色校正によって伝えたいイメージが再現されているか、確認が大切です。
作り直しを防ぐため
色校正をせずに印刷物を制作したものの、完成してから思い描いていたイメージと
違う製品が出来上がってしまう場合があります。
そうなると、すべて製作しなおしです。
製作のしなおしになると、余分な費用がかかるだけでなく、
不要な在庫を抱えることにもつながってしまいます。
色校正にはコストがかかるものの、刷り直しと不要な在庫の保管よりは安価で済みます。
正確な色表現の印刷物を求める方は、コストをかけてでも色校正を行った方がよいでしょう。
色校正をした方がよい印刷物とは|実用例を深堀り解説
色校正は、行う方がよい印刷物と行わなくてもよい印刷物があります。
色校正を行う方がよい印刷物の例として、次のような印刷物があげられます。
- ビジュアル重視の印刷物
- 特殊な紙・素材・インキを用いた印刷物
- 大ロットの印刷物
なぜ、これらの印刷物は、色校正を行う方がよいのでしょうか。
各項目ごとに深堀りして、実用例を交えながら詳しく説明します。
ビジュアル重視の制作物
写真集や画集・アートブックなど、ビジュアル面を重視する制作物は、
色校正する方がよいでしょう。
データ上でみえる色と実際に刷り上がった色は、微妙に異なるときがあるため、
ビジュアル重視の作品を色校正無しで仕上げるのはリスキーです。
色味が変わると、作品の雰囲気も変わってしまい、
読者に届けたかったイメージが上手く伝わらずに終わってしまうリスクもあります。
正確な色味を求めるビジュアル重視の作品には、色校正が不可欠です。
特殊な紙・素材・インキを用いた制作物
特殊な紙・素材・インキを用いた制作物も、色校正を行う方がよいでしょう。
特殊な紙とは、上質紙やコート紙など定番の紙とは異なる特殊加工された紙を指します。
(特殊紙の例)色上質紙・和紙・メタリック紙・クラフト紙など
特殊な素材でよく使われるものは、ユポ・PET・塩ビなどのフィルム素材です。
フィルム素材は透明や白などフィルムの色も出来上がりに関係してくるため、
事前に仕上がり具合を確認しておいた方が確実です。
特殊なインキとして、金・銀などのメタリックカラーや特色カラーなどがあります。
ホログラム加工もデータと現物の色味に差が出やすいため、
仕上がり具合を確かめておく方がよいでしょう。
ただし、特殊インキやホログラム加工は、コピー機で色を再現することができません。
そのため特殊なインキには、後述の「本機構成」を用いる必要があります。
大ロットの制作物
何千、何万といった大ロット制作の場合も、色校正をした方がよいパターンです。
なぜなら、すべて刷り上がったあとに色味がまったく異なるとわかったら、
膨大な数の刷り直しにつながるからです。
刷り直しになると、その分コストと納期がかかってしまいます。
大ロットの場合は小ロットに比べて刷り直しのダメージが大きいため、
リスク管理を徹底的におこなわなければなりません。
刷り直しのリスクを回避するためにも、大ロットの印刷はできるだけ色校正をしましょう。
色校正の種類とは|代表的な3つについて特徴を解説
色校正には、代表的な3つの校正方法があります。
- 簡易校正
- 本紙校正
- 本機校正
簡易校正が最も簡単な印刷方法で、本機校正が最も実際の印刷に近い印刷方法を用います。
ここでは、各構成方法ごとの特徴を紹介します。
校正を選択する際は、納期や予算に適した使い分けを検討しましょう。
簡易校正
実際に印刷する紙・インク・印刷機は使用しない、低コストな校正です。
色味の方向性を確認したり、
デザイン内の説明文に誤りがないかなどをチェックするためのもののため、
最終仕上がりの色味とは異なります。
簡易校正のメリットは、低コスト&短納期での色校正が可能な点です。
簡易校正のデメリットは、色校正の色味と最終的に仕上がった印刷物の色味が
異なる場合がある点です。
低コストで色校正を行いたい方や、急ぎで色校正を希望する方に向いている校正方法といえます。
【簡易校正まとめ】 メリット :低コスト&短納期での色校正が可能 デメリット:色校正の色味と最終仕上がりの色味が異なる場合がある ⇒急ぎの方、低コストで色校正をしたい方におすすめです |
本紙校正
実際に、印刷物を制作する際に使用する紙で行う校正方法です。
本紙校正では、本紙校正用の印刷機を使用します。
後述の本機校正よりは低コストですが、簡易校正に比べると若干コストが上がります。
本紙校正のメリットは、短納期での色校正が可能な点です。
そのうえ、実際の制作時と同じ紙・インキを使用して行うため、
色味のズレがでにくくなっています。
対するデメリットは、実際の制作時とは異なる印刷機を使用する点です。
紙とインキは同じですが印刷機が異なるため、
まれに仕上がりに色味の違いがみられる場合があります。
実際の制作に近いイメージで色味を確認したい方は、本紙校正を行うのもよいでしょう。
【本紙校正まとめ】 メリット :短納期での色校正が可能 実際の製作分と同じ紙・インクを使用するため、色味のズレが出にくい デメリット:実際の製作分とは異なる印刷機を使用するため、まれに色味の違いが出る ⇒実際の製作と近いイメージで色味を確認したい方におすすめです |
本機校正
実際に製作するときと同じ紙・インク・印刷機を使用する校正方法です。
少量のものを印刷することは得意ではなく、版も必要となります。
その代わり、色校正の段階でほぼ確実な色味の確認が可能な点がメリットです。
デメリットとして、実際に製作するときと同様の状況で行うため、コストと納期がかかります。
本機校正は、予算とスケジュールに余裕がある方、品質重視の方に向いている校正方法です。
【本機校正まとめ】 メリット :色校正と実際の製作の色味のズレがほとんどない デメリット:高コスト&納期がかかる ⇒予算とスケジュールに余裕がある方、品質重視の方におすすめです |
色校正の流れから基本を解説
色校正は、以下の流れで行います。
スケジュールを決める際の参考にしてください。
- お客さまが色見本を印刷会社へ送付
- 印刷会社に届いた色見本を元に、色校正を行う
- 校了(NGの場合は再度色校正)
- 色校正の色味に合わせて印刷物を制作
※色見本 : 色校正をする際の指標となる色味サンプルのこと
※校了 : お客さまが色校正(または出力見本)を確認して問題無しと判断し、
印刷工程に進むこと
弊社の色校正は、データ1点・1回ごとに料金が発生します。
そのため、デザイン数・色校正の回数が多くなるほど費用がかかります。
(例)3種のデザインをそれぞれ2回ずつ色校正した場合
色校正費 : データ1点・1回ごとにつき4,500円(税抜)
3種×2回×4,500円=27,000円(税抜)
出力見本は、A1サイズ1枚につき970円(税抜)です。
サイズによって金額が異なるため、事前に見積もりを行います。
予定スケジュールを提示いたしますので、
具体的な日数が知りたい方は、気軽にお問い合わせください。
色校正で知っておきたい注意点
色校正をする際に知っておきたい注意点は、次の3つです。
- 光源・紙質次第で色の見え方が異なる
- 人物の色味に気をつける
- 修正指示はわかりやすく具体的に行う
これらのポイントを知らずに色校正すると、
思ったとおりの色に近づけるのが難しくなってしまいます。
これから色校正の依頼を検討している方は、以下の説明をぜひ参考にしてください。
光源・紙質次第で色の見え方が異なる
色校正は、光源や紙質などの要素で色の見え方に違いが生じます。
例えば光源であれば、屋内か屋外か、自然光か人工照明かなど、
さまざまな要因で色味に微妙な変化が出ます。
人工照明の種類は、次の3種類です。
- 電球色…オレンジがかった暖色系の灯り
- 昼白色…最も自然に近い色合い
- 昼光色…青みがかった明るい光でオフィスなどによく使用される
色校正は、昼白色の灯りの下で確認しましょう。
また、紙質も色の見え方に影響します。
例えば、ミラーコート紙のように表面に光沢がある紙は、実際の色より明るく見えがちです。
色上質紙やクラフト紙など紙自体に色がついている場合も、実際の色味は違って見えます。
想定していた雰囲気と大きく異なる場合は、紙の変更も視野に入れる必要があります。
人物の色味に気をつける
人物の写真やイラストをデザインに使用している場合、肌の色味に気をつけましょう。
肌の色味は再現が難しいうえに、照明の影響を受けやすいためです。
人物を重視するデザインであれば、色校正をした方が無難です。
青みがかった肌色になると、血色が悪くみえてしまいます。
特に人物が中心の作品は、肌色の仕上がりによって全体の雰囲気が決まります。
反対に、肌の赤みが強過ぎても不自然で不健康にみえてしまうために不都合です。
表現したいイメージに合った肌色が表現できているか、色校正で確認しましょう。
修正指示はわかりやすく具体的に行う
色校正の仕上がりをみて違和感があれば、印刷会社に対し、修正指示をします。
指示をするときは、相手に伝わるように出来る限り具体的な言葉を使うようにしましょう。
例えば、肌の色が暗く、くすんでみえるようであれば「肌色を全体に明るく」、
コントラスト不足であれば「全体的にコントラストが弱いから明暗をつけて
シャープな画像にしてほしい」などです。
頭のなかに思い描くイメージを、極力言語化して伝えましょう。
言語化だけでなく色見本をつけると、さらに具体性が増して相手に伝わりやすくなります。
以前作ったことがある製品なら、実際の製品をサンプルとして提出するのもよい方法です。
色校正についてよくある質問
ここからは、色校正でよくある質問を3つ取り上げ、Q&A形式で回答いたします。
いずれも基本事項のため、初めて色校正を行う方は、ぜひ参考にしてください。
Q.校正と色校正の違いは?
A.校正と色校正には、次のような違いがあります。
- 校正…印刷物のレイアウトに間違いないか、文章に誤字脱字がないかなど確かめる
- 色校正…印刷物の色味がイメージどおりか確かめる
つまり、校正は印刷物の全体を判断する工程で、色校正は色に特化した校正といえます。
校正・色校正は、基本的に別工程で行う仕事です。
Q.色校正にかかる納期は?
A.色校正の納期は、校正方法によって違いがあります。
一般的な印刷会社における納期の目安は、次のとおりです。
- 簡易校正…0~1営業日
- 本紙校正…2〜3営業日
- 本機校正…2~5営業日
本機校正の納期に幅があるのは、実際の紙とインキを使った本格的な工程で行うためです。
工程が複雑であるほど納期も長くなります。
色校正で修正しなければならないと、さらに日数がプラスされます。
したがって、色校正ではスケジュールに余裕をみておくことが大切です。
ここで紹介した納期はあくまでも目安のため、
具体的な納期は注文する印刷会社に問い合わせしましょう。
Q.色味を確認したいだけの場合は?
A.「色校正をするほどではないが、実際の色味を念のため確認しておきたい」
そのような場合に役立つのが、出力見本です。
出力見本とは、大型のインクジェットプリンターと専用の紙・インクを使用し、
色味を確認する方法です。
出力見本なら、プリンターで出力したままの色味が確認できます。
色校正に出す色見本がない場合や、
どんな色味で出力されるか念のため確認したい方におすすめです。
低コスト&短納期で色味の確認が可能ですが、
色校正とは違って色味の調整は行わないため注意が必要です。
パネルプラスでも出力見本のご対応を行っています。
出力見本を希望される方は、パネルプラスまで気軽にご相談ください。
色校正にも強いパネルプラス|低コスト・短納期を実現
パネルプラスは本機校正、つまり実際に印刷する紙・インク・プリンターで色校正をしています。
本機校正はコストと時間がかかりがちと先に説明しましたが、
弊社では本機校正でも低コスト&短納期を実現しています。
その理由は、弊社が小ロットに強い『オンデマンド印刷』を得意としているためです。
オンデマンド印刷のメリットは、版を作らないでデジタルデータから直接印刷を行うことです。
版を作らず、必要な部数だけしか印刷しないため、コストを下げて納期を短くできます。
※※注意※※
オンデマンド印刷とオフセット印刷は印刷方式が異なっているため、
同じデータであっても、両者は同じ仕上がりにはなりません。
また、オンデマンド印刷は大きな面積のベタ部分やグラデーション部分にムラができやすいため、
オフセット印刷に比べて色味や仕上がりの再現性が若干劣ります。
パネルプラスでイメージどおりの印刷物を制作しよう!
色味は、ちょっとした差で相手に与える印象が大きく変わってきます。
販促物をイメージ通りに仕上げるために、色校正でしっかりとチェックしましょう。
パネルやポスター・POPなどの販促物制作でお困りの際は、パネルプラスにお任せください。
皆さんが思い描くイメージどおりの印刷物制作を、パネルプラスがお手伝いいたします!
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