こんにちは！パネルプラス（株式会社TMF）です。
「ラスタライズの方法が分からない。」
「そもそも、ラスタライズとは？」
「印刷会社に入稿したらラスタライズが必要と言われ、戸惑っている。」
このようにお困りの方はいませんか？
本コラムでは、ラスタライズとは何か、ラスタライズはどのように行うのかを解説します。
Adobeデザインソフトをはじめとする定番ソフトを使ったラスタライズの方法も、説明しています。
ラスタライズの理解を深めたい方は、ぜひ本コラムを参考にしてください。
ラスタライズとは？今さら聞けない基礎知識
ラスタライズとは、ベクター形式の画像データをラスター形式に変換する作業を指します。
まず基礎知識として、次の2点を解説します。
- ラスター形式とベクター形式の特徴
- ラスタライズが必要な場面
ラスタライズの基礎を理解し、デザイン制作をスムーズに行いましょう。
1.ラスター形式とベクター形式の違い
ラスター形式の画像はピクセルの集まりです。
ラスター形式の画像は、画像表示・編集ソフトがないデバイスでも表示できます。
一方ベクター形式とは、点と線で構成された画像データです。
ベクター形式の場合、画像表示・編集ソフトがないと表示ができません。
ラスター形式とベクター形式には、それ以外にもたくさんの違いがあります。
| ラスター形式（ドット表示） | ベクター形式（点と線で表示） |
| ・拡大・縮小で画質が劣化する可能性有 ・解像度の高低が画質に影響する ・データ量はベクターより大きくなる ・写真や画像など詳細な画像向き | ・拡大・縮小しても画質の良さを保てる ・点と線で表すため、解像度の概念がない ・データ量はラスターより小さくなる ・シャープな文字やイラスト向き |
ラスター形式はドット表示のため、拡大縮小で画質が劣化する可能性があります。
解像度が低くなるとドットの数も少なくなるため、全体がぼやけてしまうのです。
対するベクター形式は点と点を線で結ぶ仕組みのため、
拡大・縮小や解像度で画質が変化することはありません。
▼ラスター形式▼
▼ベクター形式▼
2.ラスタライズが必要な場面
ここでは、ラスタライズが必要な場面を表形式で説明します。
ラスタライズが必要な場面は、ソフトによって異なります。
以下の表では、ソフト代表として
「Adobe Photoshop（フォトショ）」と「Adobe illustrator（イラレ）」の2種類を取り上げました。
| Adobe Photoshop（フォトショ） | Adobe illustrator（イラレ） |
| ・印刷データの作成 ・ブラシや消しゴム、塗りつぶしなどのツール使用時 ・スマートオブジェクトの軽量化 | ・パスが多いデータ ・ドロップシャドウや透明などの効果を使用時 |
印刷に使用するデータは、ラスタライズによるデータ最適化が推奨されています。
ラスタライズをしていないと、印刷会社でデータ出力する際にエラーが出る恐れがあるためです。
ラスタライズで得られるメリット
ラスタライズの主なメリットは、以下の3つです。
- ツールで直接加工が可能になる
- 複雑なデータやスマートオブジェクトの軽量化が図れる
- 印刷トラブルの可能性が低下する
メリットごとに、詳しくみていきましょう。
ツールで直接加工が可能になる
ラスタライズするとピクセル形式のデータに変換されます。
そのため、ラスタライズ後は、消しゴムや塗りつぶしなどのツールで画像を直接加工が可能です。
点と線を数値データで表示しているベクター形式にはない、ラスター形式のメリットです。
複雑なデータやスマートオブジェクトの軽量化が図れる
パスが多いデータやスマートオブジェクトは、データサイズが大きくなりがちです。
データサイズが大きなデータを扱う際は、ラスター形式に変換するとサイズの軽量化が図れます。
複雑なデータを扱っていて処理が重いと感じる場合は、ラスタライズを試しましょう。
印刷トラブルの可能性が低下する
ラスタライズすると画像が最適化されるため、印刷トラブルの可能性が低下します。
最適化とは、画像のデータサイズを小さくして処理速度を高めるものです。
最適化を行うことで印刷機の負荷を抑え、トラブル回避が図れます。
また、ラスタライズすると画像がドット表示されるため、見たままの色が再現しやすくなります。
ラスタライズの方法とは？定番のおすすめアプリ4選
ここからは、定番アプリ4つを使ったラスタライズの方法を解説します。
- フォトショ｜画像編集・合成の万能ツール
- イラレ｜デザイン・イラスト作成の定番
- アイビスペイント｜スマホ・タブレットで手軽に加工
- クリスタ｜マンガ・イラスト制作に頼れるアプリ
それぞれ特徴に違いがあるため、自社の制作物に合ったアプリを使用してください。
1.フォトショ｜画像編集・合成の万能ツール
フォトショ（Photoshop）では、基本的にラスター形式が採用されています。
しかし、レイヤーによってはベクター形式であるため、ラスタライズが必要です。
- ベクター形式のレイヤーを選択
- ブラシツール画面をクリック
- ラスタライズを行うかの確認用ポップアップが出るため、OKをクリック
また、以下の方法でもラスタライズが可能です。
- ベクター形式のレイヤーを右クリック
- 「レイヤーをラスタライズ」もしくは「テキストをラスタライズ」を選択
ラスタライズを行っていないレイヤーではブラシが使用できませんが、
ラスタライズをすると使用できるようになります。
2.イラレ｜デザイン・イラスト作成の定番
イラレ（Illustrator）では、主にベクター形式が採用されています。
そこで、ラスタライズする方法を紹介します。
- ラスタライズ効果設定を確認
- オブジェクトのアウトライン化と画像埋め込みを行う
- メニューバーの「オブジェクト」「ラスタライズ」を選択
- 解像度を「300〜400ppi」、背景を「透明」、アンチエイリアスを「アートに最適」を選択
- ダイアログのOKをクリック
最初にラスタライズ効果設定を確認する際には、以下を確認しましょう。
- カラーモード：CMYK
- 解像度：高解像度、もしくはその他
この手順でイラレでもラスタライズが可能です。
3.アイビスペイント｜スマホ・タブレットで手軽に加工
アイビスペイントでは、レイヤーをラスタライズすることで
スクリーントーンの色変更やブラシツールの使用などさまざまな編集が行えます。
手順は次のとおりです。（Windows版）
- 下部にある四角いアイコンをクリックし、ラスタライズしたいレイヤーを選ぶ
- 右のメニューから縦に3点並んだアイコンをクリックして「ラスタライズ」を選択
- 「ラスタライズしますか？」に対し、「はい」をクリック
スマホやタブレットでも操作手順は同様です。
4.クリスタ｜マンガ・イラスト制作に頼れるアプリ
CLIPSTUDIO（クリスタ）を使ったラスタライズの手順は、次のとおりです。
- ラスタライズしたいレイヤーを選ぶ
- メニュー欄から「ラスタライズ」をクリックする
クリスタでは、3Dモデルの線画抽出をはじめイラスト制作に便利な機能がそろっています。
しかしその分レイヤーが増えて、ファイルサイズも多くなりがちです。
また、ベクター形式で作成している間は消しゴムやブラシ、
塗りつぶしなどのツールが使用できません。
そのため、ラスタライズ化でファイルサイズを小さくしながら各ツールが利用できるようにします。
ラスタライズ作業で注意するべき3つのポイント
ラスタライズする際の主な注意点として、以下の3つがあげられます。
- ラスタライズしたらベクター形式に戻せない
- 拡大・縮小に限度が出る
- ファイルサイズが大きくなる場合がある
いずれも、ラスタライズするなら知っておきたいポイントです。
各項目ごとに詳しく説明します。
1.ラスタライズしたらベクター形式に戻せない
ラスタライズでラスター形式の画像データへ変換した場合、
ベクター形式の画像データへ戻す方法はありません。
ベクター形式のままであれば、線の太さや色の変更など自由に行えます。
ラスタライズは、ベクター形式で画像データを完成させてから行うようにしましょう。
ラスタライズ前のデータを別に保存しておくことも大切です。
2.拡大・縮小に限度が出る
先に解説したとおり、ラスター形式はドットの集まりで表示する形式です。
そのため、画像を拡大すると線のまわりにギザギザ（シャギー）が出てしまう恐れがあります。
また、ラスター形式の画像は拡大をかけると解像度が低くなり、画質の劣化につながります。
このような状態を避けるためにも、拡大・縮小はベクター形式の段階で行いましょう。
なお、ラスタライズをしたあとで画像ファイルを閉じてしまわなければ、
戻るボタンなどでラスタライズ前に戻すことはできます。
▼ラスター形式を拡大した場合▼
3.ファイルサイズが大きくなる場合がある
ラスター形式は、解像度が高くなるにつれてファイルサイズも増えていきます。
解像度が高すぎるとデータの保存や取り扱いに苦労するし、
解像度が低すぎれば全体的にぼんやりした画像になってしまいます。
画像の解像度は、画像の目的に合った高さを指定しましょう。
当社のパネルやポスター制作などで推奨しているデータの大きさは
「解像度：250dpi以上・サイズ：2,000px以上」です。
写真・データに関する詳細は、こちらをご覧ください。
画質や解像度を詳しく知りたい方は、こちらもぜひ参考にしてください。
写真データの画質を良くするには？画像サイズと解像度の違いも解説！
ラスタライズで悩んだら？パネルプラスにお任せを
ラスタライズした画像を印刷するなら、パネルプラスがおすすめです。
5営業日前後（時期により変動）でリーズナブルにプリントアウトできます。
そこで、パネルプラスで作成できる商品を紹介します。
- パネル
- ポスター・チラシ
- タペストリー
イベントに合った印刷物を制作するため、ぜひご覧ください。
1.パネル
TMFでは、大小さまざまなパネルを作成できます。
取り扱っているパネルと、それぞれの特徴は以下の通りです。
| 種類 | 特徴 |
| 等身大パネル | 等身大で大きなサイズのパネル |
| 顔出しパネル | 顔の部分がくり抜いてあるパネル |
| フォトブースパネル | 写真の背景にぴったりな自立式のパネル |
| 切り抜きパネル | イラストや画像の形に合わせて切り抜いたパネル |
| 直線パネル | 一般的な真っ直ぐのパネル |
| SNSパネル | インスタ画面のようなSNS映えするパネル |
TMFでは、直線パネルなら1枚790円から、
等身大パネルでも1枚5,370円からとリーズナブルに作成可能です。
▼直線パネル・等身大パネルの詳細はコチラ▼
2.ポスター・チラシ
TMFでは、ポスターやチラシの印刷も可能です。
1枚からでも対応しているため、気軽に依頼できるのが嬉しいポイントです。
ポスターやチラシは、サイズによって価格が異なります。
ポスターであれば、以下の価格で作成可能です。
| サイズ | 価格 |
| A4 | 450円から |
| A3 | 600円から |
| A2 | 790円から |
| A1 | 1,100円から |
表に記載されていないサイズでも自由に作成できるため、お気軽にご相談ください。
▼ポスター・チラシの詳細はコチラ▼
3.タペストリー
TMFでは、オリジナルデザインのタペストリーも取り扱っています。
タペストリーは、以下の多様な材質から選べるのが特徴です。
- PP加工なしの厚手マット紙
- グロスPP加工ありの厚手マット紙
- マットPP加工ありの厚手マット紙
- 合成紙
- ターポリン
- 薄手クロス
ターポリンや薄手クロスには、UVインクでの印刷を行います。
そのため、水回りや屋外での使用にも向いています。
紙以外へのプリントアウトも、ぜひTMFにお任せください。
▼タペストリーの詳細はコチラ▼
【Q&A】ラスタライズでよくある質問
ここではラスタライズでよくある質問を取り上げ、Q&A形式で回答します。
- Q.ラスタライズとアウトライン化の違いは？
- Q.イラレでラスタライズすると色や見た目が変わるのですが対処方法は？
これらの疑問でお困りの方は、以下の回答を参考にしてください。
Q.ラスタライズとアウトライン化の違いは？
A.ラスタライズとアウトライン化の大きな違いは、以下の2点です。
- ラスタライズがラスター形式でアウトライン化はベクター形式である
- ラスタライズは写真や絵など画像に使用し、アウトライン化は文字データに使用する
アウトライン化とはイラレで使用するコマンドです。
アウトライン化を行うと、フォント情報が破棄されるため文字データとして利用できなくなります。
その代わり、印刷時に予期していないフォントに変更される恐れがなくなります。
ラスタライズとアウトライン化はどちらも印刷データ作成時に必要な処理です。
両者の違いは、形式や目的です。
Q.イラレでラスタライズすると色や見た目が変わるのですが対処方法は？
A.イラレでラスタライズすると、ラスタライズ前と色や見た目が変わる場合があります。
最もよくあるパターンは、ドロップシャドウやぼかしなど「効果」をかけている場合です。
これらの効果は、下地になっているオブジェクトの色によって
表示される色味が異なる場合があります。
ラスタライズはかけたいオブジェクトに関係するオブジェクトも一緒にかけるようにしましょう。
また、解像度が低いと、ラスタライズ後のデータにシャギーが生じる場合があります。
効果メニュー内の「ドキュメントのラスタライズ効果設定」を開き、
「高解像度（300ppi）」になっているか確認しましょう。
「アンチエイリアス」が「なし」になっている場合もシャギーが目立つことがあります。
この場合は、ウインドウメニューのアピアランスから「ラスタライズ」を開き、
アンチエイリアスを「アートに最適」または「文字に最適」に変更しましょう。
ラスタライズを知って理想の印刷物制作へ！
ラスタライズとは、ベクター形式の画像をラスター形式に変換する作業です。
主に、印刷物のイラストを作成する際にラスタライズが求められます。
TMF（パネルプラス）なら要望に応じて、
パネルやポスター・チラシ、タペストリーをリーズナブルに作れます。
印刷物を製作する際は、パネルプラスにお任せください。
まずは見積りだけでも大丈夫ですので、ぜひ下記リンクよりお声がけください。
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